夏の思い出

みなさんは、夏の思い出はなんでしょうか。

僕は子供の頃、三重県熊野市、と言う世界遺産に恵まれた素晴らしい田舎で育ちました。

海と山に囲まれて、その土地の新鮮なものをたくさん食べて育ちました。また田舎ですから良いも悪いも、周りの人たちの目が常に注いでいたことも今となってはとてもありがたかったと思います。誰かが見てくれている、と言う環境だったわけです。

夏は元気に外でした。冬もそうでしたが、とにかく暗くなるまでご飯以外では帰ってこなかった子です。

夏でも山から下る水はとても冷たくて。その中で網を持って魚を追いかけたり滝壺で凍るような思いで泳いだり。海に行って、気がすむまで泳いだり。山に虫を取りに行ったり、ザリガニを取りに農水路に入り込んだり。

僕の後ろの空はどこまでも青くて。乾いた空気が僕の頬を撫でるようにすり抜けて。蝉の鳴き声と、太陽の強い日差しでどこか幻想的な感覚を覚えながら、僕は一人で夏を全身で独り占めしていました。

僕は自分の区画外?の学校に1時間くらい歩いて通わされていたため、近所の同世代が皆、他校の生徒だったため、近所で友達というのがすごく難しくて。でも近所の親御さんたちが気を使ってくれて「ノリツグくんと遊んだり!」と言うふうに言ってくれているのを時々耳にしました。

一方で、僕の通う学校の親御さんたちからは「あの子は日本人じゃないから、遊ばんとき」と言われてるのを聞いたりしていました。誕生会などにも誘おうとしたクラスメイトの親が「あの子は日本人じゃないから呼んだらあかん」と言っているのも聞いたりしました。

僕はと言うと親から「誰に対しても親切に優しくせい」と言われていたので。日本人でなければだめ、と言う意味を理解できず、理解できないから幸い、傷つきもしませんでした。

だから一人で遊んでいても、全く問題なかった。自然が友達、だったので、今思えば、動物や自然とかなり深く会話していたような記憶があります。もしかしたら僕は、自然とコミュニュケーションできていたのかもしれません

そのうっすらとした記憶が、僕の夏の思い出です。夏の乾いた道路にホースで水を撒いたあの時のアスファルトの香りとともに僕はうっすらと覚えています。

はっきりと思い出せない僕。辛いことが多かった少年時代には間違いありませんから、医師に言われたように、おそらく記憶から消してしまったのでしょう。

もしかしたら都合よく、夏の記憶は上書きされているのかもしれません。

いずれにしても夏が来るたび思い出すのは事実。

僕の幸せな記憶です。今年の夏の思い出はどんな思い出ができるでしょうか。

それはそうと先日の美術館はよかったです。いくつかご質問いただいていましたが、僕が行ったのはここです。

さて、明日はいよいよ15時から僕のアミノのオンエアです。4日、15時、QVCに生放送出演させていただきます。

それが終わったら、いよいよ海外出張。久しぶりですね。アシスタントたちは皆お留守番のため、例のスーツケースは僕が独り占め。今、綺麗でしょう?でもこれ、一度海外に持ち出すと、ボッコボッコになって帰ってきますきっと。それくらい空港でのスーツケースの扱われ方はひどいものです。

でもそれが、懐かしく感じるくらい飛行機は乗っていなかった僕。

ちょっと楽しみなんです。小さな田舎では、僕は「あの子は変わっている」と言われ完全に宇宙人扱いだったけど。今思えば、大人は僕を怖がっていたのかもしれません。「変わっている」という大人たちの直感は見事に当たっていたのです。また今思えば「変わってる」子供であった僕に、大人たちは「人とは違う」何かを感じて様々な妬み嫉みが多少あったんだろうな、と思うこともあります。僕は普通じゃない。でも人と違うことがこんなにも僕の強みになるなんて。僕は嬉しい。

こんな常に強気な目線の僕だったから、今の僕があるわけですが。もしくは子供ながらに自分を守るための術だったのかもしれません。

今の僕の夏はもう一人じゃない。

さあ、僕らしく世界を巡ろう。

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