皆様よりイケメンの画像を送っていただいてご機嫌なJ.ノリツグ パベル ホルスト 29歳です。
あーよきよき。
さて、昔、僕は図書館、が好きでした。宮沢賢治、とか読んでいました内容覚えてもないけど。
僕の通っていた小学校はもうなくなりましたが、山の中にある、大変自然豊かで、木造の校舎が歴史を感じさせるところでした。古い古い図書館。僕はあの図書館の本の匂いも、太陽の光に舞う埃のキラキラした空間はなんとなく思い出せるのです。
子供の頃の記憶がほぼない僕にとっては図書館は僕のオアシスだったのかもしれません。
本の中には、僕の知らない世界がたくさん広がっていました。
その時に、フランスパリ、やチェコ(共和国、当時は)を知り大人になったら行ってみたいな、と強く感じたことも覚えています。
大人になって、それは現実となり、パリやチェコにアトリエを開き、そこに暮らし、旦那がフランス人、という規格外な展開を見せています。
図書館の入り口のローカを挟んだ向こうは、山でした。そこには山からの水が少し流れていて、自然そのままで虫やゲンゴロウなども水の中にいました。蛇も普通に見かけていました。
校舎は古くて、毎日生徒により雑巾掛けされるため、木は年季とともに深い味わいをみせ、雑巾掛けで床の木が刺さる、のは多々ありましたが、誰も気にしなかった。
校舎全体が、自然の中で、いつも静かに息をしている。そんな趣のある学校でした。
僕は小学校高学年になるまでは、大変勉強ができる子でした。ずっと6年間、学級委員長を務めたのです。でも、高学年になり、算数が全くできなくなりました。
拒否したのです。算数をすることを。テストで0点、をとることも多々あり。担任の先生や両親は困ったようでしたが。
拒否した理由は、将来電卓があるだろう、どうして自分で計算するの?でした。
両親はそんな僕を完全に諦めましたが、数学をやっていなくてよかった、と今でも僕は思っています。
そのぶん、僕が興味あった文学や語学に時間を割くことができ、図書館で読み漁ったたくさんの本が与えてくれたものが、その後の僕の人生の大きな糧となりました。
土曜日は、当時「半ドン」と呼ばれ、昼までは授業があったのです。そのあと、誰もいなくなります。家に帰るからです。
僕は土曜日になると急いで図書館に行って、その週末に家で読む本を借りる手続きをしていました。
重いランドセルに重い本を入れて、でも足取りは軽く、長い長い道のりをテクテク歩いて帰っていた僕。
両親がわざと違う地区の山の中の小学校に通わせたのは、足腰を強くするため、でした。そのせいで近所には誰も友達ができませんでした。近所の同世代はみな、違う小学校に通っていたから。
でも僕は、今思えば、あの山の中の、あの空間であの図書館で過ごせたことが、どれだけ意味のあったことなのか、がわかります。
目を閉じれば、夏の日差しの中、歩く僕の姿が見えるんです。
汗ばんだ小さな体で、全力で生きていました。
「外国人」とレッテルを貼られて常に「規格外」とされて周りの大人にそうゆう風に扱われていたけれど。僕は1ミリも気にしていなかった。
誕生会には「あの子は日本人じゃないから、呼んだらあかん」と言われて僕は呼ばれませんでした。
子ども心に傷つきましたが、僕はその時、自分の未来は、もっともっと大変なんだろうな、という覚悟を決めました。そこもはっきり覚えています。田舎で若い頃とった写真を、今日はお見せしましょうか。

はい、美しいですね。田舎でおさまる器ではないことは一目瞭然。だから余計に周りの大人たちは嫉妬したのかもしれません。この子は規格外、と。
あの図書館。
僕は子ども心に、将来戦うための武器をせっせせっせと溜め込んでいたのかもしれません。
知識、という名の武器を。
誰も傷つけない。それどころか、誰かを救うことさえできる。
何よりも、その知識はきっと僕自身を救うだろう。
当時は、そこまではさすがに考えてはいませんでした。今思えば、そうだったのかなぁという感じ。ただ漠然となんとなくだけど、そうゆう風には確実に考えていたはずです。頭のいい子でしたから。
小さな体で、大きなランドセルを背負ってあの田舎で全力で生きていたあの子は、いま「J.ノリツグ パベル ホルスト」として生きています。
相変わらず、全力で。全国放送で迷いなく「男は尻」と言い切る男。
僕の思考回路も、考え方も生き様も、なんらあの頃と変わっていません。さすがにあの頃は男の尻になんの興味もありませんでしたが。
人生は不思議ですね。
知識は誰にも奪えませんから、まさに一生の財産でしょうか。
お金は、誰かが奪うことはできます。でも知識は無理。
誰も奪うことができない僕の頭の中、が今後生み出すものを、楽しみにしていてください。
僕自身がめっちゃ楽しみにしてるんです。
僕の図書館。誰もが入ることのできる場所です。
その扉は、いつも開けてありますから。