ミザエル

僕の旦那さんがですね、僕に手作りのブレスレットをプレゼントするとか。

もうすぐ冒険の旅に出るミザエル。

旅先で覚えた作り方で、旅先で集めた天然石を使って、器用にブレスやネックレスを作っては道端で販売して南米を横断した彼は、本格的にそれを仕事にしようと頑張ってホームページやら会社やらをフランスで作ったようで。

23歳にしてはもう上出来。フランスの料理専門学校を出て、シェフとして働いていた彼だけど。今は冒険家になり、その資金を稼ぐためにそのようなビジネスを始めるそうで。最初はYouTubeで、ミサンガの作り方を学んで、糸で編んでミサンガ売りから始めたミザエル。天然石を器用に使って、ワイヤーを使ってアクセを作り始め、とても器用なので、仕上がりも綺麗。全部彼の手作り。

昔、最初に彼が作ってくれたブレスレットは、短すぎでした。赤い石を使って、ヒッチハイクで乗せてもらったトラックの後ろの荷台で揺られながら南米で作ったもの。

今度はどんなブレスレットをプレゼントしてくれるんだろうと思いきや、ホームページ作ったからその中から好きなの選んでね、だって。笑

えらいアバウトやな。

ネックレスでもいいよ。だって。

僕はどちらもつけないから、もらったら、テレビの時に衣装として彼のブレスレットをつけようかな。

嬉しそうに話をするミザエル。そんな彼をみてると、ほんと冒険家にしてよかったなと思う僕。

天然石の仕事をすると天然石を探し、買い求め、自分でアクセサリーを作り、自分でパソコン勉強してホームページを作ったり、ボックスやブランドマークなどをデザインしたり、役所に手続きに行ったり、全部全部一人でこなしてるミザエル。めちゃめちゃ仕事が多い、大変だと言いながらも根をあげずにこの1年ほど、フランスでその準備を頑張ってきました。

料理人として働いていた頃の彼は、彼の人生を全く楽しんではいませんでした。不満も多く。

だから言ったんです。好きな仕事をしなさい。と。

料理の仕事は好きじゃない、と言ったので、じゃあ、辞めて好きなことして、と言いました。僕は経済的に一切援助はしないけど、お金がなくても、自分での力で生きていけられるなら、仕事しなくてもいいからなんでもやりたいことをやれと僕は思ったのです。たかだか19歳で、人生終わったみたいな顔して生きてかれても僕が困ります。

彼が、自分のために精一杯生きたと、人生が終わる瞬間に、思えるように。

僕は、もっと自分らしく生きればよかった、と思って終わるのは嫌。だからついいつも人にも、それを強くすすめます。

今、僕自身、最近、なんでじゃ、と思うほど、いろんなことが周りで起こっています。でもね、それは僕が僕らしく生きている中で起こってること、また好きな仕事で起こってることなので、全然オッケー。

好きでやってることだからね、と対応できるんです。一つの問題が落ち着いたら、どうせまた次がある。でも、結局僕は好きでやってる仕事だから、突き詰めると、仕方ないと思えるから、どんどん流してゆける。

人生思っているほど悪くない。僕はそう常に信じています。

今日東京は日中、とてもいい天気でした。

夕暮れ時の空気感と、光の加減がとてもとても美しくて。

僕は出かけるのはよそう、と思っていたけど、6時過ぎからお出かけ。

東京駅近くの本屋さんが併設された混まないカフェで、ガラス越しに見える光と影、揺れる空気が無機質な都会の景色の中に奏でる優しいアートを眺めていました。

僕はこの東京が大好き。

もちろん、パリが懐かしくて仕方ないし、一刻も早くヨーロッパに戻りたい、と思うけど。

僕の見ている風景と、ミザエルの見ている風景は全然違うのに、はるかの距離を超え、人と人が結ばれる世界に生きてることが奇跡です。

愛の絆ってすごいやん。また男性が愛する人にブレスレットを贈ろうっていう気持ちもすごいやん。

ジュエリーやアクセサリーってやっぱり愛の証やな。

ああ美しい。

ミザエルと出会った頃の僕を見つけました。この頃の僕はパリで幸せに暮らしてました。

この時も今の僕も幸せです。自分らしく生きているから。

ミザエルにも、同じことを望みます。

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