できない。
もう何十個、一体何十個作らせてはボツらせて来たのだろう。
qvcではないけれど、他の通販のバイヤーが僕の使う工場に「僕が採用しなかったのでいいからそれを全部欲しい、うちの通販で紹介したいから」と工場に直接オファーがきたというとんでもない話も、あるのだけど。どの顔下げて「ジェイさんが採用しなかったものをブランド名を変えてうちで売らせて」と言ったのかは謎でしかないのだけど。そうゆうこともあるのかなぁと、思うしかなくて。もちろん工場の方はそれはできませんとお断り。しませんよそんなん。そんなんしたら僕がひくわ。それにしてもひどい話。僕がボツにしたものを、別のブランド作って売ろう、だなんて。うんこ。
それはそうと、クリームができない。本当にできない。オンエアの日程だけ決まっているのに、できない。
ああ、いよいよ僕が辞める時が迫るのかもこれで。
どんなに直しても直らない。どんなにやっても完成しない。だからNO.88が誕生して、パベルと合わせて完璧なクリーム、だったのに。
あの苦労はなんだったんだろう。だんだん腹も立ってくる。僕の中ではもう、クリームは誕生したのに。でも、クリームらしいクリームが欲しいというお声、ご期待にはお答えしたいし。でもNO.88とパベル混ぜたので完璧なクリームなのに。それ以上のクリームを、クリーム状で作れというのは至難の技。
本人はもう必死で髪の毛抜ける思いでやってるのですが、できない。
何個も何個も試しすぎて僕の肌の負担もそろそろ限界。さっきも新しいサンプルを顔の半分に塗って手が止まる。
全然ダメ。これ、このまま眠るのも嫌だ。でもどうやって落とすの?こすらないとダメかなあまた・・・・。そもそもなんでフェイスクリーム塗って、わざわざ落とさないといけない羽目になるのさ。ある意味いかに界面活性剤があれだけ、どのメーカーもあの量で使いたがるのかが身にしみてわかるわ。量がっつり使わないとこうなるんね。
もし、僕が納得しないで、オンエアまでに製品が仕上がらなければ、僕はどんなことがあってもその製品を世に出すことはない。そしてそれでオンエアに穴が開くことになれば、当然その責任は僕にあるわけで。それでも大人の事情でその段階で出します、なんてことになったら即辞めるし、ジェイトワ終了。商標もダメ。えらいことになる。
まさかこんなことに巻き込まれて自分が辞めることになるなんてことになればほんと不思議でたまらないけど、今はそんな気分。こんなクリームだったら我が名前で出すことは絶対できない。どうしてできないのだろうもう、まる3年はやってるのに、自分のクリームの開発。3年やで、3年。それでまだできんのや。一般市場に出すようなクリームのプロデュースだったら僕、2週間で仕上がるのに。このままオンエアまでに仕上がらないと、各方面にご迷惑が。恐ろしすぎる。
でもね、僕のスタンスは、とにかく自分が納得できる、これすごいわ、と思うものがきちんと仕上がってから、qvcに提案、販売、なのであって、ものも何もできてないのに、なぜか先にオンエアとアイテムだけ決められても、全く実は僕、対応ができない。だから本当に苦しいのに、誰もそれをわかってくれてはいないようで、話だけがどんどん進む。本当にこれは苦しい。ものがないのに、オンエア枠だけもらえることは、それはqvcや周りが一生懸命になって、獲得してくださってるので、実は、めっちゃありがたい話なのだけど。サンプルが仕上がるたびにスタッフから「今回のこれすごいです、いいです」とか言って渡されても。これでオッケー出して、と言われているようでひく。オッケー出さないけど。出せないんさ、自分が本気で震えるほどいいと思ってないと。
そういえば、神クリームなんて確かにこの世に存在していない。
みんなクリームをあっちを使い、こっちを使い、うーん悪くないけどいいのか?というのを繰り返してるような雰囲気に僕は思える。
そうなんだ。やっぱりめっちゃ難しいのだ。クリーム。神クリーム。
できないから、僕はパベルとNO.88で別々に出して、それを混ぜて自分で一瞬で毎晩フレッシュに作れる神クリーム作りました、のだけど。
暗闇に浮かぶ無数のクリーム、この写真はほんとほんとごくごく最近の一部だけ。実際はものすごい数のサンプルを様々な工場から作ってもらって失敗を繰り返してる。これはAPPSをクリームにしてみたけど、全部だめ。

僕は私生活では基本、なんでもできる、と言ってしまうけど、仕事でできないことは最初から出来ない、と言う方。でないと周りに迷惑がかかるから。根性論や理想論でできるできる、やります!とか青臭くてどーしようもないとすら僕は思う方で。
だから、出来ないと言う。
このブログを書いていて思った。これはできないぞ、と。
なんとかして突破口、を見つけないと。従来のいわゆるクリーム、じゃないクリーム、に大きく舵を切ろうと思う。これで失敗したらほんとジェイトワからクリームなんて僕が生きてる限り当分無理。でもせっかく与えていただいたチャンスだから、お応えしたいし。
頑張ります!