暮らしの大事

質問で、僕の暮らしが知りたいというのが多いので、少し暮らしの話をします。

僕の暮らしのベースは未だパリにあります。とはいえ、もう2年くらいコロナのばかたれのせいで帰っていません。だから、東京じゃん、という感じに今はなっています。

東京のアトリエは、都心部高層階にあるため利便性や展望性はいいものの、それだけといえばそれだけです。もちろんアトリエとしての十分な広さはあるのですが。

特にデザイナーズ建築であるとかではなく誰でも入居できる普通のマンション。え?こんなところにアトリエ?という感じかもしれません。よく勘違いイメージされるような、別にセレブ御用達マンション、みたいなものでは全然なくて。僕のイメージだと必ず「おうちに噴水あります?」とか真顔で聞かれるけどありゃしない。

僕は見栄を張る気もその必要もないので、文化人と言われる割にかなり普通の暮らしを続けています。20代若い頃ははい、若さゆえの愚かさでデザイナーズとかにも惹かれたのですが、最近は全然。

人がデザインしたものの中に暮らすより、自分がそのある空間をデザインして暮らしたいと思うからです。

パリで学んでることの一つが、自分で暮らしを作るということ。どんな小さなアパートだって、工夫次第で素敵な自分のお城、なんです。

新築じゃなきゃ嫌、とか駅近じゃないととかどうでもよくて。(パリに新築など存在せず、また古ければ古い建物ほど家賃は馬鹿高くなります。古さ、に価値が置かれるから。日本は新築、に価値が置かれますが、真逆です)

古くて狭い空間でも、植物や花を飾れば、びっくりするほど部屋の「気」が変わります。

古くても綺麗に掃除すれば、清潔であるなら問題ないはず。限られたスペースをどう自分らしく演出するのか、考えることも楽しいものです。

照明は絶対、上から蛍光灯ではなく、暖色の間接照明で。光を間接照明にするだけで、部屋の影が奥行きと落ち着き、くつろぎを連れてきます。フロアランプなどは世界中を探して、一つ一つ、気に入ったものを集めました。間に合わせで買うことは僕の場合、ありません。見つかるまで、買わない。

植物、花、ライティング。この3つは僕がインテリアでこだわる3大要素。

あとはゆっくりくつろげるスペースを確保します。ある程度の広さがあるならソファを。狭い一人暮らしでも、工夫次第でどこかに自分の「くつろぐ場所」を確保します。

リビングルーム、はその名の通り、生きる部屋、なんです。生活のほぼメインはこのリビングなので、リビングには特にこだわります。ベッドルームはいい香りとベッドがあればそれでいいんですから。自分の生きている、はリビングを中心に展開されるのです。

くつろげる。清潔である。植物や花がある。

スタイリッシュな家具よりも、ヨーロッパで買い集めたアンティーク、といえば聞こえのいいが早い話中古家具、を好みます。それぞれイタリア、スペイン、パリで蚤の市のような場所からアンティークのお店まで自分で周り、集めてきたものがいいのです。職人が手をかけて作った古い家具は、それこそ僕が使い始めてからも100年は持つのです。古くなったらゴミになるだけのイケアではありません。古くなったらより「アンティーク」になるだけ。

実際、写真でみせましょうか。うちのリビングの端っこです。

スペインのフロアランプに大理石のサイドテーブル。クッションはパリから。家具の重厚感でまあセレブ!と思われそうだけど、実際の家具の値段は、このサイドテーブルは1万円少々。フロアランプもそれくらい。クッションは2個あわせてそのくらい。定価で買うとかなりの値段がしますが、中古家具はいくらもしません。クッションは新品ですが在庫処分だったため、定価の8割引だったのでその価格。

ものを値段で縛ってないんです。僕は自分が好きか嫌いか、気に入るのかいないのかで縛るんです。値段の問題じゃない。それに僕はピカピカの新品を好まない。味わいが出てきたくらいの家具が好き。

僕の暮らしの大事、ははっきりとした自分の基準で全てを選びぬくこと。

花と植物を欠かさないこと。

きれいに清潔に保つこと。

僕の暮らしの、大事です。またこれら3つは、お金の有る無しに関わらず、絶対に工夫次第でできること、だと僕は思います。

あなた様の暮らしは、あなた自身が自由に作り上げるものなのです。

自分らしい、そしてくつろぎを得られる暮らし、工夫してくださいね。

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