見るんじゃなかったネトフリ。パリが舞台のドラマ。
こんな設定無茶苦茶やん、アメリカ人らしいわ、本当のパリはこんなんじゃない、と思いつつ、場所は本当のパリだから懐かしいなこの景色、とか思いながら見てしまった僕。
パリの人は意地悪、とかパリを語る際、誰もが言いそうなセリフ。うんうん、そうだね、確かに優しくはないかも。他人に優しくするという姿勢はまずないから。
それを期待してると落ち込むけど、期待しなければまあこんなもん、という感じなんだけど。それに他人には優しくはないけど、他人でなければ情はむしろ深いというか。
他人になるのか、その輪に入るのかは自分次第。
そう、ひたすら自分のペースで生きて行ける街それがパリ。

パリに住み始めて特によかったのは、やっぱり相当美意識を鍛えられること。
パリは街全体がアートのようで。何百年も時を超える絶対的な美しさと職人の技や美意識が脈々とあって。

そういえば僕は、僕の商品は最近食品など一部をのぞいて全てパッケージも僕がディレクションをしている。
J.avec toiも、インジュブも。
デザイン、色、質感、全て細心の注意を払って僕が決めている。ダサいものは絶対許さないという構え。
使うデザイナーも僕が指定してる、スイスの僕の友達。
商品名も僕がつけるし、パッケージもそう。
商品だけじゃなく、ブランド全体をディレクションするようにしてる。
でないと、僕は納得しない。
僕は名前貸ししてるようなゲストではないので。とことんこだわる。
僕が着る衣装も商品ごとに実は細かなルールを設けていてその商品らしいショーにしたいと思っている。ナビさんもショーに合わせて衣装気合を入れてくれるとその気配りが嬉しい。
僕の美意識全部をお客様と共有させていただきたいと僕は思うからだ。
僕がパリでそして世界中で吸収しているもの全てが商品に反映されているわけで。
だから僕の商品は強いのだと思う。普通の暮らしの中から生み出された商品ではない、ということだから。
前にも書いたけど、人は自分の生活と行動範囲の中でしか想像力が働かない、と言われる。僕はだからこそ世界中を飛び回りその範囲を広げているのか。僕はお客様目線での商品開発は絶対にしない。世間ではよく「お客様の目線で作りました」とかよくやってるけど。ちょっと待て、という感じ。
お客様の目線で作ってしまったら、それは極めてありきたりのものになってしまう。なぜなら、素人さんの目線で作ってしまう、ということになるから。素人さんが想像できる範囲のものなんて、お金出して買う???
僕はプロとしてそれは許さない。お客様の目線で作りました、は一瞬いいことのように響くが、実際はプロの仕事ではない、ということ。商品開発チームに配属された会社員が知恵を絞って作れる程度のものってこと。
商品はあくまでプロの目線からみて開発しないとだめ。それをお客様が「おおお、そうきたか!」とお喜びいただくことが僕たちプロの喜びであるべき、僕はそう思う。
パリにいると僕はいつもこうゆう思考回路全開になる。自己中と言われればある意味そうだ。
パリはとても厳しい街だから。自分がないと潰れるだけだ。

パリは厳しいからこそ極めたものはその何倍も美しい。僕自身も、僕の手がけた仕事も全てそうありたいと思う。
僕の経験も見たこと触れたもの全てが僕の商品に注がれる。
これからどんな世界を、皆様と一緒に共有できるだろう。
僕は一人、ワクワクしてるし、武者震い。極めてゆきたい。
僕の一杯一杯の気持ちが、どうぞ皆様に届きますように。