僕の週末はいつも休んでいるようで休んではいません。
アシスタントたちが揃う週末は色々と確認やリサーチすることも多いのです。アトリエのメンテナンスもあるし。
コロナでどこも出かけられないので、まあいいのですが。クリーニングを出しに行ったり、別のお店からクリーニングを引き取ってきてもらったり。色気のない週末ですが、僕は結構そうゆうのが好きなんですね。
クリーニング屋さんを分けてるのは、実家がクリーニング屋さんなため、僕はその業界のことをよくわかっているからです。実家にいちいち送るわけにも行かないため、都内でいくつか使い分けています。
衣装のジャケットをクリーニングに出すため、それはデパートに。
うちの実家だと、何もしなくても、普通の普通料金のクリーニングでいわゆる都内での「高級ロイヤルクリーニング」みたいなことを亡き父がこだわって丁寧にやっていました。お客様の服が他人と混じって洗われるのはきっと嫌だろう、と言うことで父は単品洗い、をもう何十年も前から導入し、そのために当時国内で1台だった機械までドイツからわざわざ頑張って導入しました。服一点一点にカバーをかけて、それだけで単品洗いするのです。当時も今も通常は何点かまとめて機械に入れて、一緒に洗われるのが普通ですが、僕がもの心着いた時、父に、僕の服が他の人と洗われるのがいや、と言ったそうです。それがきっかけで、父はハッっと気がついて手間も費用もかかるのに単品洗い、に切り替えたそうで。単品洗いしたからと言って田舎なので値段を大きく釣り上げることもできず、儲けを捨てて、実をとった父でした。そうゆう父を僕は今も尊敬しています。絵に描いたようなお人好しでした。
それはそうと、デパートのクリーニングは大手ですが、ジャケット1枚でクリーニング代は5000円ほど。普通でもいいと思っていたのですが、お店の人がいいお品ですから、一番いいコースで、と言われ。正直、高いなと思いました。しかもデパートでのはいつもシミ抜きを高い値段で頼んでも「落ちませんでした」で戻されます。料金だけ取られて。これ以上すると生地が痛む場合があるので、と説明されますが、僕はクリーニング屋の息子です。怖がってシミ抜きしてないだけ、というのがすぐわかります。その場合、再び別のお店でシミ抜きを普通料金のコースで頼めば綺麗にとれて落ちて戻ってきます。
やれやれ。
ジャケット5千円って、うちの実家なら、普通料金の安い価格でもっと丁寧にかつ綺麗に仕上げられます。もともと高級コースなんて設けてませんが。どれも普通料金で洗ってすでに実は洗い方は高級コース以上なんです。それは父のこだわりでした。東京だとシミ抜き一箇所でさらにいくらとかすごく細かい設定が。襟汚れなんて普通に落とすし、場合によってはシミによっては実際そのシミはシミ抜きしなくても普通にただドライクリーニングで落ちるものなのですが(クリーニング屋さんの息子なのでよくわかります)わざわざそれでも一箇所につき500円追加とかとられます。三箇所に散ってシミがあればそのかけることの3、みたいな。シミ抜き料金だけで。
手作業で仕上げます、とか別料金じゃなくてそんなの本来は当たり前なのですが。でもここに頼むのは、ここはボタンは絶対に傷つけないように気をつけてくださるので。
ちなみに、シャツなどは近所のクリーニング屋さんで「シャンゼリゼコース」って言うのをいつもすすめていただくのですが、シャンゼリゼって、いわゆる高級クリーニングコースらしくて。通常よりも高い値段を追加で支払うのですが「仕上げが手でアイロンをかけます」と言うこと。特にボタンなどはアルミホイルで保護されたりすることもないので、飾りボタンがボロボロになって帰ってきてショックを受けましたが「ボタンは保証外です」と言って1円も保証はされません。実家では普通のクリーニングで必ずアルミホイルでボタンは保護ざれて洗いますが。シャンゼリゼ、で別料金を払っても何もボタンは気を使われないみたい。また仕上がったシャツがシワシワのシワシワで帰ってきて、いつもおしゃべりしてくれる馴染みの店員さんだったので、思わず「これ、アイロンかけてます???」と言いました。「ねー、なんかねー」と彼女も不思議そう。「仕上げが手でアイロンかける、ってきっと、手で押さえてアイロンみたいにしてるって意味なんじゃない?」と僕は冗談を言いました。
ほんとそんな感じで。アイロンをかけたとは思えないほどしわっしわ。まさに手の平で伸ばしました、これぞ手アイロンみたいな。
それ以降、シャンゼリゼコースは頼まなくして、普通洗いでお願いしています。機械アイロンだそう。そしたらしっかりと綺麗にシワが伸びで美しい仕上がりで戻ってくるように。うん、これなら満足。
なんだ、何倍もお金払ってわざわざ高級コースにしなくてもむしろこっちの方がいいじゃん、となりました。
本当は一箇所で、馴染みのいいクリーニング屋さんを見つけていつもそこでお付き合いするのが一番なのですが。東京ではそれはなかなか難しいようで。衣装のクリーニングは何かと苦労しますが僕は何軒か使い分けています。カウンターの方の対応が愛想がいいお店が多くて、それが一番嬉しいです。
で、5日、明後日ですね、qvcで朝の9時からインジュブのオンエアでお邪魔します。
もしお時間ございましたらぜひ、ご覧ください!
明日の衣装は白シャツでーす。