これじゃなきゃダメ、という選択

僕の暮らしの中は、これじゃなきゃダメ、ばかりです。

衣食住、全てにおいてこだわり隊長なので何においても「これでいいや」がなくて「これじゃなきゃダメ」で僕は暮らしを作っています。

食品、化粧品、雑貨にインテリアに洋服、靴バッグ。人間関係やクライアントにもそれはそうです。この人じゃなきゃダメ、この会社がいい、っていう人に僕は囲まれています。

これでいいや、で生活を作りたくない。全て完璧にはならなくても日々の努力はずっと続けて自分なりの完璧に近づいていくの自体も楽しいと思うようにしています。

これじゃなきゃ、で作りあげたい。

最初は難しいかもしれませんが、少しづつ暮らしの中のこだわりを増やしてゆくと、気がついた時に自分の暮らしがグッとランクアップしてることに気づくことでしょう。暮らしがランクアップするということはご自身もさらに上がってる、ということ。

お金や収入は実はそれほど関係ありません。お金持ちだけが素敵な暮らしをしてるなんて大間違い。工夫次第で素敵な暮らしをされてる方はたくさん知ってます。

もちろん、いいものはそれなりの値段がします。ただし、今はネットやリサイクルも活発になっていて、別に定価で買わなくても手に入る時代です。もちろん新品でないとダメ、な場合もありますがそれでも工夫次第で手に入れられる場合が多い。

最初に一番いいものを買っておくと、後からやっぱりあちらがよかったな、とまたそっちを買うことも一切無くなります。満足度が高いため浮気心もおきず、ずっと長く大切に使えます。そうすると1年換算するとむしろ最終的には安い買い物だったというのもよくある話です。

また本物は美味しかったり、効果が十分に期待できたり快適だったりするので、お金に計算できない良さもあります。その良さ、本物の力を自分が味わうことも、生きている楽しみと喜びの一つです。

よく「ブランド物なんて名前だけ」と言う方もいらっしゃるのですが、今の時代、名前だけで売れるものなんて「何もない」んです。そんなに甘いものじゃなく。

ブランドはその全てをかけて仕掛けて来てるので、やっぱりそれなりの質を期待できるもの。そうじゃなきゃ、これだけ客の選択肢も目も肥えている中でビジネスなどできません。

だから「ブランドものなんて馬鹿馬鹿しい」と切り捨てず(ただし、確かに値段があまりに法外であることは時にあります)少し興味を持って彼らのクリエーションを眺めてみるのも素敵です。買う必要などないのですが、丁寧な職人の仕事を愛でたりデザイナーの挑戦を面白がる余裕はとてもいいことだからです。ブランドものなんて買える人が買えばいいのですから。ブランド物にも素晴らしいものがたくさんあるし、ブランド品でなくても素晴らしいものがたくさんあります。それは全て「本物」と呼ばれます。

僕は常に、暮らしの中で「本物」を味わって欲しいと思っています。

僕のこだわりはそもそも「本物であること」がその軸にあります。僕の全細胞に本物とはなんぞや、というのを記憶させるようにこれまでずっと生きて来ました。随分時間も労力もお金も人脈も使って来たと思います。結果どんどんと暮らし自体はシンプルになっていますが。

料理研究家としては誰もが言うことだと思いますが、みりんは本物のみりんを。みりん風調味料とは格が違います。塩も産地によってその味わいが違います。精製塩とは深みが違います。料理酒を使うよりも、手頃な価格のお酒を使う方が美味しい。お酢もきちんと熟成発酵したものを。まろやかさと旨味が違います。だからうちはみりんはここ、塩はこれ、とか全部決まっているのです。ただし、仕事柄市場調査で有名どころや新商品含め一通り買うので実際にはかなりの量にはなっていますが。実際本当に使えるのなんていつも決まっています。通常の家庭ならうちはこれ、で十分です。

ウールよりはカシミアを。ただし、質の悪い安価なカシミアを着るくらいなら質の良いウールの方がはるかに肌触りがいいものです。カシミアだから高級なんて騙されず、触れて自分で確かめます。市場に溢れる安価なカシミアをカシミアと呼んではいけません。世界で取れるカシミアの総量よりもはるかに多いカシミアが流通する不思議。偽物が混じってると言うことでしょうか。見極めるのはあなたです。

オーガニックコットンにこだわる必要はありません。コットンはコットンです。ただし、安価に作られたコットンは何度か洗濯すれば終わりです。夏物はワンシーズンと割り切ってしまうのも一つの手です。

その反面、秋冬になると嬉々として途端におしゃれ隊長に変わります。長く大切に着られるものが着たい。

僕には20代の頃からここじゃないとダメ、というメーカーがあって、もう25年以上のお付き合いですが、これからもそこの会社のものを着続けると思います。ここじゃないとダメなんです。生地も縫製も着心地も全く違うから。とはいえ丈夫な縫製とかでは全然なくて、なんどもお直しが必要となりますが。メーカー曰く「うちの商品は洗うことを前提に作ってない」そうです。そうゆう客のことを考えてない美意識も、この世の中には面白く感じます。実際は普通に洗えるものを選んだら10年経ってもまだ着れます。

それでも「ここじゃないとダメ」だと思わせるものをちゃんと持っているのですからそれは素晴らしい。

これじゃなきゃダメを丁寧に積み重ねて行くと強いんです。

それは暮らしも自分自身も強くなる。

 

大変な時代こそ、このこだわりがすごく大事だったんだなと気付かされます。

自分は絶対これ、を丁寧に重ねて生きましょうね。

いいエネルギーがきっと満ちて来ますから。

 

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