ミニマリストについて語る仕事の依頼を受けた。速攻断った僕。
僕は間違ってもミニマリスト、とかじゃない。むしろミニマリストやらは無理。
流行りの整理本に影響されてものを捨てることが目的になってるっておかしいから。
本を書いてるミニマリストの言うことはみんな同じ。つまり一つのオリジナルの概念を使いまわしてるだけにしか思えない。オリジナルは一体誰?どれも解釈が浅いから、その浅さがすけて見えるので本屋でさっと見るくらいでも気分が悪くなる僕。
でもうちのアシスタントたちは皆「ジェイさんミニマリスト」って。
違うわ!!!
ものを持ってないだけじゃ。
不動産とかもそうだけど、物を所有することに興味がないだけ。別に「必要なものだけでシンプル暮らしたいから頑張ってます」と言うタチじゃないー。
ちなみにうちは洗濯洗剤すら「水」ですから。洗濯機の周りに異様にカラフルな洗剤の箱とか絶対ないんじゃ。
床拭き用とか窓拭き用とかじゃなくて、それも単純に「アルカリ水」1本。
顔も頭も僕のHS一つ。リンス系やトリートメント系も一切ない。
余分なお金は使わないし、物を管理する労力も勿体無いので必要最小限でいいだけ。それで生活感ないと言われても仕方なし。
でもその反面、じゃあ家にあるものに関してはそれこそ100年以上付き合うのだけと言う感じなので、家具なども流行りのシンプルなものとか、コンパクトなものじゃなく、真逆で、ものすごい職人の手の込んだとても重たいデカい、ヨーロッパから死ぬほど頑張って持ってきました、と言う物。身の回りペン1本にまで細かくこだわりが。
結果ミニマリストたちが好むスペースやシンプル空間などはうちにはいらない。場所によってはスペースなくてカニ歩きじゃ。
東洋は空間やスペースに美を感じる。西洋は空間やスペースをデコレーションすることで美を感じる、と言われるけどその通り。
日本は空間が開くとそこに「美」を感じ、ヨーロッパじゃ空間があればそこを飾って「美」を感じる。
つまり僕はその両方に美を感じるハイブリットか。DNAがなせる技か。
キッチンは「ものが出ているのが許せない」キッチンは当然だけど、料理研究家の肝。雑然としてると仕事はできず。理想は写真のように全部収納してしまえること。ピカピカに磨き上げていること。うんうん、これが理想的。まあ、キッチンの色とか質感とかは嫌だけど。賃貸だからどうしようもない。
ミニマリストが本に書くような少ないものだけでシンプルに快適に暮らしたいからことかじゃなく、散らかってると集中できず、僕は仕事で抱える問題などが多すぎて、ましてやキッチンは撮影が入ったりアシスタントが並んだりして作業進行するため、そんな中で集中して最大限の力を発揮するには物に構ってる暇も余裕もないため物があると困る、と言うだけ。
だから僕へのミニマリストやらシンプルに暮らすやらの企画を振るのはNG。
別に好きで物を所有してないわけじゃない。
僕には物を所有して愛でてる余裕などないってこと。
僕の人生はシンプルじゃない。僕自身は極めてシンプルだけど。
この状況下で必死に仕事最優先で日々頑張ってるのに。
「素敵な私の暮らしぶり」みたいな私の素敵な暮らし提案型の料理家と一緒にしていただけるのは光栄だけど。僕みたいな物を持ってない人間と一緒にされたら向こうが迷惑だろうし。それに東京のアトリエなんざ賃貸さ。僕も迷惑。僕は研究職であり、料理家じゃない。
料理研究家、って研究、の部分の重みをもう少し出せる言葉があればいいのに。新しい衣食住の提案はもろ僕の仕事だけど、裏で仕掛けていきたい。その方がいろんなバリエーションを提案できるし。まあ、マスに出てる以上、自分の暮らしの魅せ方、は考えないといけないとは思うけど。
結局、僕には物を持ってる余裕がまだない、と言うだけなのねー。
チーン。