これはスイスの美術館でした。
フランスやイタリアと違い、全く、センサーもつけていなくて、警備員もいない。触っても大丈夫よ、と言うスタンス。誰も触らないけど。
美術館の方曰く、この所有者はとても裕福で、いい絵は額などに入れたりしないで、そのままたくさんの人が眺めて楽しんで欲しいと言うことで、このような展示を許可してるそうです。さすがスイスの金持ち、スケールが違うんです。これ、ピカソですから一体いくらの価値があるのかと思うと、かっこいいなーと思いました。1mmくらいまで近づいてじっくりみて堪能しました。その間、その部屋には誰もこない。誰もいない空間でした。なんと言う贅沢。
ピカソはもともと、全然好きな画家ではありませんでした。本物を見るまでは。パリのオルセー美術館でみたあの緑のピカソ、を見た瞬間、全身に稲妻が走ったと言うか。
あの力に圧倒されて以来ピカソの作品はあれば見に行くように。素晴らしいのです、言葉に表現ができない圧倒的な力がある。あの色使い、あのバランス感覚。常人じゃないあたりまえだけど。ピカソは写真や本で見ると全然、違います。実際、本物を生で見ないとなかなかわからない。
ちなみに、ルーブルのモナリザ、あれ展示されているのは偽物です。本物は地下の倉庫に保管されているそうです。モナリザクラスになると、気持ちはわかりますが、それでも残念。ルーブルですらそうなのかー、って。
絵は、やっぱり本物をまず見ることが大事ですね。それは全ての衣食住、大きく言えば、人生にも同じことですが。
商品を作り込んでいても僕が思うのは「これは本物?」と言うこと。自分の作るものだけど、常に「誰様にも本物と呼ばれるか」は意識してます。いいとか悪いとか言われるのはそれはもう嗜好品なので仕方ないこと。人の意見気にせず僕の好きなように作り込んでいますが、ただ「これは本物!」と皆に認めてもらえるのかは必ず抑えてるポイントです。
何においても、本物を作り続けてゆくこと。本物を追求すること。
このチャレンジに僕は一生を捧げています。