何を隠そう隠してないけど東京の狭いリビングにはソファが4台あります。3人がけや、2人がけ、一人がけ、など、一通りあります。それぞれヨーロッパから持ち込んだものなので、当然大きさが、日本の一般的なソファよりはるかにでかい、のです。大きなソファが狭いリビングにそんなにあるので、当然普通には歩けないのですね。だってそれにプラスして椅子たくさんのダイニングテーブルまであるわけですから。カニ歩きしないと。
でも、いいんです。こだわり隊長の本領発揮です。この写真のソファはアンティークとそろそろ呼んでもいいと思います。すごく手が込んでいて、古くなればなるほど価値が出ます。傷めば傷むほど美しいのです。
イケアやニトリだと、古くなって傷んだらゴミになるのです。それが職人が手作業で必死に作った家具と量産型の家具の違いです。
断捨離断捨離って世の中は言うけど、そもそも断捨離しないといけないような買い物の仕方をしていたことが問題なのであって、捨てたからスッキリ、あーよかった、じゃないんです。捨てたゴミは、どこ行きますか?という新たな問題も。また捨てグセがついてしまい、次何を捨てよう、みたいな半ば捨てるのが目的みたいな生活になったりすることもあるでしょう。
古くなった本物の家具なら、捨てなくても誰かが必ず欲しい!ともらってくれるでしょう。30年、50年、100年と持つのが本当の家具です。
古く傷んだものも、美しいのです。ヨーロッパにはそうやって受け継がれた家具がたくさんあります。
ただ、これは家具に関しての話であって、服に関しては古着はご注意を。状態のいい古着は最高だと思います。ただ、たんに古くなってくたびれた服は、着る人もくたびれさせて見えます。洋服にエネルギーがないんですね、もう。そうなったら、もう捨てるのが一番です。日本の古着屋さんはとても状態がいいものを売っているけれど、ヨーロッパの古着屋さんの多くは本当に「ええええ?これ着るの??」という状態。大きなシミや破れなんて当たり前。
若い人は、古着を着てると可愛いんです。若さというエネルギーがあるから。ただ、年齢のいった人間がビンテージを着てしまうと、ちょっとホラーって誰かが言ってましたね。アンティークな人間がアンティークをまとったら、それはもう幽霊ってことで。
歳を重ねたら、できるだけ小ぎれいな新しい服を着る、というのも大切ですね。
若い頃は白いシャツも洗いざらしでもなんとか着こなせたのですが、今はもうきちんとアイロンがかかった白シャツしか無理という感じ。
白といえば、僕、今年白いコートを生まれて初めて買ったんです。冬物ではなく春秋のコートという感じなのですが。白なんですね。王子みたいなただ白じゃないですよ、黒の線がチェックみたいに入っていてツイードっぽい感じ。
これ、腕がめちゃめちゃ細くて、僕が着ても一度着たら「脱げない」のです。着るときも大変で、腕時計とかしてたら腕はもう通りません。
今までなら買わないです、でも買いました。白の緊張感がいいなぁと思って。汚れる白を潔く綺麗に着たいなと。そろそろ僕もそんな歳頃ですからね。あまり楽なの着てるとどんどん崩れて行きそうだし。
で、腕はお直しさんにスリットを入れてもらうことに。カフェや出先で脱ぎ着できないと困りますから。スリット入れると楽になりますよ、というお直しの方の技術を信じて秋が来るまでに預けに行って来ます!
皆様も何か気持ちがシュッとする洋服を秋に向けて手に入れてみるのもいいですよ。今年はストリートの熱が冷め、クラッシックが戻って来ると言われますが、どの時代でも流行に流されないのが、シュッとした美しい服です。洋服が凛としてると、時代に合わせて多少着崩しても大変なことにはなりません。
家具は古く。服は新しく。どちらも丁寧に扱えるものを。ものが持つ力を自分のものに。
運気がすごーく上がりそう。