古いものを探して

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はい、よく行くんです、パリのアンティークの店。パリのアンティークは本気アンティークなので、100年前のものとかあります。僕は新しいものより、古いものを綺麗にして使うのが好きなのです。ただし、とてもいいエネルギーを持ってるようなものだけです。パリの蚤の市、は有名ですが、何度か行きましたが、いつも気分が悪くなるのです。頭が痛くなるというか。雑念がすごく多い気がして僕はそれらの物のエネルギーにまいってしまいます。

一つ、とても悔やんでいることが。

パベルが生きていた時、彼が亡くなる前日ですね。僕たちはプラハの郊外のとても大きな蚤の市に出かけました。日本でいう、フリーマーケットですね。そこは本当に古いものとかみなさんドサっと無造作に路上に並べてる雰囲気で。僕はそこに着いた時からクラクラしてました。で、あの本。

今も、書いててなんか涙が自然に出て来ますが。古い古い、本があったんです。本というか、家族のアルバム、のようでした。とてもとても美しい緑っぽい表紙で、ビジューが装飾されていてとても美しい。なんかの映画の小道具にそのまま使えそうなものでした。うわ、綺麗!と声をあげた僕は、触れなかったんです。触ろうとするとものすごい体が硬くなるのを感じました。一瞬です。

あ、触ってはいけない。直感で思いました。そう思った瞬間隣にいたパベルが手をさっと伸ばしてしまった。

触ってしまった。開いたその本からは、たくさんの古い誰かの家族写真がそのまま出て来ました。それらを見たとき、あの胸騒ぎ。

綺麗なんて、僕が声に出すから。もし彼が、あれに触っていなかったら、もしかしたらまだ生きてるんじゃないか、とか、ついつい考えてします。まるで映画か、オカルトかって話ですが。考えすぎかもしれないとなんども思ったけれど。僕はこの手の感は子供の頃からとても強い。もちろん、これ以外にも不思議な前兆はあったんです。でもこれも、確実にパズルを埋める一つだったような気がしてなりません。

今も僕は、パベルのことで、心をえぐられるような悲しみに時々襲われます。この痛みは一生、僕とともにあるでしょう。

それでいいのです。パベルを思い出すことができるのだから。

パベル。20歳そこそこで先にいってしまったけれど。僕は本当に心が痛い。

君がくれたたくさんの優しさを、僕は一体どうすればいいのだろう。僕はもう一生懸命、君のような優しさを持って仕事するしかないんかなー。説明できぬ罪悪感を持った僕がすると、せめてもの罪償いみたい?それはそれでずるいわー。

パベル、僕が最後の息するときは、必ず来てね。

僕は方向音痴なの。

 

 

 

 

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