古いもの

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パリに暮らし始めてから、ピカピカしたものや、プラスチックやビニール、合成のものがさらにすごく嫌いになりました。もともと、20代初めのインタビューからも答えていたように、プラスチックが嫌い、な僕。当時それは環境問題じゃなくて、プラスチックって古くなったら美しくないから、という理由でした。そうなんです、25年経った今も、僕はそのままの考えで。古くなって味が出る革や金属類とは違い、プラスチックは単に劣化するだけ。

味が出る、と劣化は根本的に違います。どちらも時間を重ねることは同じ。でも時間を重ねた結果、は大きく違います。時間を超えられるか、超えられないか、はゴミになるかアンティークになるか。

この前も書いたのですが、古いものをいいとするヨーロッパの文化に比べ、アジアは最新、や新しいものを常に好みます。マンションも古ければ古いほど、高いヨーロッパに比べ、新築がアジアでは高価なように。新しいもの、若い者に対して、大きく価値をおきます。芸能を見ていてもそれはそう。新しいものには新しいものの魅力や楽しさがあるので、どちらを好むかは、ご本人様次第。僕自身は、ものを買う時使い込むことを前提とするため、古くなってゴミになるものはまず買わないのです。古くなっても、誰かが喜んでもらってまた使ってもらえるようなものしか買いません。

僕自身、先日ひょんなとことでキャリア的にはもう立派な古いものになったことに最近気がついたのですが、うまい具合に古びたもんだ、とその時、正直思いました。

ヨーロッパの建物のように、古くなってもその美しさと魅力は増すばかり、のように古くなれたら本当にいいなぁと思います。だからそれ目指して僕は、今このままの歩みを止めません。

プラスチックが嫌い。古くなったら美しくないでしょ?ステンレスのボウルなら、ずっとずっと使えて、なお美しいから。僕のキッチンに、プラスチックはいらない。

そうインタビューで語ってた20代の僕。読み返しながら、我ながら変わらない自分にびっくりです。その本、バリバリスポンサーがプラスチック製品の会社だったりしたのに。

僕は空気が読めない、と時々言われるのですが。読めないのではなく、読まないのです。それはあえて、だったりします。どんな小さなことでも、周りに合わせて自分の考えや信念を曲げることはありません。

あきれるほど終始一貫とは、僕のことですー。

 

 

 

 

 

 

 

 

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