冬のパリで思うこと

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パリらしい場所でミザエルとセルフィーです。

ミザエルは現在、南米を歩いてメキシコからブラジル目指して、徒歩だけ、で1年かけて旅をしてますが、ミザエルはフランスの南で生まれ育ちました。だから、僕の暮らすパリにはバスで17時間乗って会いに来てくれます。彼はまだ21歳なので、飛行機に乗るお金がありません。前にも言いましたが、僕が彼と知り合ったのは、彼が19歳の時。彼はシェフになるためフランスの料理学校で生徒でした。本当に子供だったので最初は本当に色々ありました。彼にとっては僕は先生、目上で、絶対的に逆らえないはずの人。でも彼は男の子ですから、どうしても自分が強い、自分が正しい、自分が主導権を握る、頼られたい、という男性特有の気質というか、願望が強かったと思います。僕は男ですが、頼られたいとは思いませんが、頼りたいとも思わないし、主導権は譲りません。また彼が正しいと信じてるのは正しくない、と思うことも多く。一緒に料理してても、僕は彼のために注意しますが、すぐ喧嘩。だから最初一緒に住んでいる時は何かにつけていつもすごくもう、取っ組み合いのすごい喧嘩してばかりで。でも不思議と、この人だというのは、本能的にお互い感じていたようで。そうです、どうでもいい相手なら、周りが心配するほど、あそこまで喧嘩しないのですね。で、彼が19歳になった時、日本に来てプロポーズしてくれ、僕は彼を迷うことなく受け入れました。彼はその時、僕の名前のタトゥーを背中に大きく入れました。性格の違いを深く理解したそれから、僕たちの関係はゆっくりとお互い譲るところは譲り、ゆっくりと、確実に歯車が噛み合い、しっかりと穏やかに回り始め、今も穏やかにしっかり回り続けています。

あれから数年。今年年末に彼は22歳になります。スウェーデンに住む僕の息子が18歳になる頃ですから、そろそろミザエルを紹介したいと思っていますが、それは彼が南米から無事帰って来たら、です。今はとにかく無事に帰って来てくれることだけ、願っています。

僕の息子テオには僕が力を落とすことなく、まっすぐ自分の人生をガッツリ歩いてゆく姿を見て何かを学んで欲しいと思っています。人が何を言おうと、何を思おうと、自分の人生は自分の物。周りの意見や時代を気にせず流されず自分の価値観で自分という人間を胸を張りしっかりと生きてゆく強さが、僕の息子にもあって欲しい。またミザエルには、いい人生をおくれるように、大人の男として必要な知恵、をつけてあげたいと思っています。一応120歳まで僕は生きる予定にしてますが、どう考えても僕が彼らを残して、先に行くことになるでしょうから。

僕は昔、自分の小説でも書いたのですが、勝ち誇るように咲き乱れる花よりも、静かに枯れてゆく花の方が美しいと思う、みたいなことを書いたのですが、今はこう、思います。

勝ち誇るように咲き乱れる花は、静かに枯れてゆく現実を知っているからこそ、咲き乱れることができる。その瞬間を全力で生きるから。そしてそれは輝いているから、現実を知らぬ花には、嫉妬心から勝ち誇るかのように見えるだけ。

今は僕は、そう書くでしょう。

咲き誇れ僕の男たち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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