贅沢の価値観

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僕は古いものが大好きです。アトリエにあるのは、世界中から集めた古い家具ばかりで、新品を買うことはほとんどありません。また、僕の持ち物は今も昔も、必要最低限です。ブログで繰り返し書いてますが、僕は基本、物に囲まれることを極端に嫌います。

そうかといえど、今だに流行りの断捨離、というのは真っ向から反対しますが。書店に並ぶ断捨離コーナーのポップを見るたび、ぞっとします。誰かのアイディアをそのままみんなが同じようなことを書いて、同じようなことを言ってるだけ、と切り捨てます。だって、中身がない。

人生は、捨てることが目的ではありません。捨ててしまえば、一時的にスッキリして、人生が変わるかも、という希望が見えるのかも、しれません。それはとても一時的なものだと思います。また、いろんな人から、僕の暮らし方が好きと断捨離系のアドバイスを求められるのですが、僕の行き方は断捨離ではありませんし、断捨離に夢中になるあまり、捨てることが目的、になってしまっている人をたくさん、見てきました。次は何を捨てよう?みたいな。

物は捨ててはいけません。ゴミになる。ゴミになるようなものを買ったのがそもそもの間違いなのです。捨てたくなるような物を最初から買わないようにすることが大事であって、捨てることが大事ではありません。

また、贅沢というのは、ブランド物を買うことでも、高い商品に囲まれることでもありません。暮らしの贅沢は、あなた様の価値観一つで変わります。安く買った古い中古品でも愛着を持って手入れして大事に綺麗に使うテーブルならそれはとても贅沢。別にイタリアンブランドのあの座り心地の対してよくない見た目クールなだけの大型ソファなんてなくても、一人がけのお気に入りのソファがあればいい。僕はちょっといいかも、とかあったら便利では絶対に物は買いません。ないと困る、で買いです。

繰り返しますが、物は捨ててはいけないのです。使い切ること、生かしきることを考えるべきであって、断捨離断捨離と言いつつ、捨ててまたどうせ結局間に合わせで他のを買ってしまうことを繰り返すことはオススメしません。

家具を買うのも、それが古くなって「ゴミ」になるのか「アンティーク」になるのかをよく考えたいと思います。職人が丁寧に作った家具であれば100年以上実際持つことも普通ですし、本物の家具であればいらなくなったら欲しい人がいるでしょう。

イケアが悪いとは言いませんが、引越しのたびに組み立てていれば数回で穴が大きくなり、使えない家具となり、また長く使うことなど想定されてないため古くなってきたらどんどん美しさはなくなり、ゴミ、となるしかなくなります。実際イケアの新品の値段より、中古のいい家具の方が断然安かったりするので、僕なら同じ予算で、迷わず状態のいい、職人の体温が伝わるような中古を探すと思います。手間も時間もかかるでしょうが、自分が囲まれて暮らすものに妥協はしません。まあ、これでいいか、は絶対にないのです。

断捨離というのは、厳しいようですが、結局は「妥協する自分」を正当化するだけの言葉に思えます。僕には、逃げているように思えるのです。ミニマリスト、と僕を勘違いされる方もいらっしゃるのですが、僕は人生を諦めたかのようなミニマリストになるようなタイプではありません。ミニマリストは素敵な生き方!みたいな本を書いてお金をもらおうという気もありません。本当にミニマリストなら、自分が生きるに必要な分はちゃんと稼ぐすべがあり、印税は寄付するでしょう。

少し、厳しいようなことを今日は書いてるので、気分を害される方もいらっしゃるやもしれません。それはごめんなさい。ただ、僕の言葉で、気を回さずにまずはお伝えしようと思います。言葉がどう解釈されても、それは僕の責任です。

パリには、古いものを売る店がたくさんあります。東京にも、あると思います。違うのは、古くなるとそこに価値を見出すヨーロッパの文化と、新しいものにより価値を見出すアジアの文化の違いでしょうか。わかりやすいのは、パリでは古ければ古いほど、アパートの価値は上がります。東京では古ければ古いほど、価値が下がります。

僕が身につけてる服も、僕のカバンや持ち物も、ブログを15年くらいずっと読んでくれてる方は、あれ、まだまたこの服着てる、と気がついてると思います。そうです、15年くらい僕のクローゼットでは全然、未だ現役です。それで、古臭いとかオシャレじゃないとか言われたことはありません。オシャレじゃないと言われたところで、僕はどってことないですが。オシャレであること、に僕の優先順位はありません。着心地のいい、自分らしい洋服を手入れしながら大切に着たいだけ。だから結局自分の目が行き届く、手入れできる範囲内の数しか、いらないのです。クローゼットがパンパン、なんてことは未だに経験したことはありません。小さなクローゼットでも空間があるほどですが、断捨離魔でも、ミニマリストでもありません。

物も、自分も、最後まで責任持って使い切ること、を前提に、真剣に向き合いたいと僕はいつも思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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