パリには日常のアートがいたるところに。アートとは特別なものじゃなくて、日々の暮らしに多数存在しています。ものをみる角度を変えるだけで身の回りの物が瞬時にアートになることも。そのことに気づかせてくれるのがパリです。
様々なアーティストのクリエーションに触れたり、見たりしていると、感動したり感心したりと、どんどんと自分の引き出しが増えてゆく感じがします。インスピレーションの宝庫、というか。僕は各国かなり世界を周っている人間ですが、そんな街は世界中でもパリが一番だと思います。
僕は日本では肩書きは料理研究家ですが、ヨーロッパに出てしまえば単にアーティストです。自分の想像力を使って、自分の感性で勝負に出るタイプの。ただし僕はその背景に研究者、としての顔があるだけ。自称アーティストになるか、プロのアーティストになるかの違いは、人様が自分の表現したものにお金を払ってくださるかどうか、という単純なものだと思っています。単純なモノサシといえば、確かに、時々いる「俺アーティストなんだよねー、でも世間は自分の才能に気がつかないんだよねー」と言ってるうちは単に自称アーティストですが、企業や人が自分の表現物を買う段階になればもうプロです。
でもプロだろうが自称だろうが、僕はどちらも素敵だと思ってます。表現が好き、とそれを追求してる事実が好きなんです。一生懸命やっていれば、それはとても素敵なこと。だからプロアマ関係なく、実際はびっくりするほど素晴らしいアーティストはたくさんいらっしゃると思います。
今はインスタや動画やらブログも発達し、自己発信がしやすくなってますから、本来のプロアマの概念ももう変わってるようにも思います。でもアーティストの本質である好きを追求する気持ち、は変わらないで欲しいと思います。一攫千金を狙って、というものは魅力を感じません。動画には、それが多いようですが。広告収入に頼るやり方だと自然とそうゆうのが増えるのかも知れませんね。それはそれで、僕は他の世界の話、として自分は一切関わらないようにしているので、特に問題はありませんが。
パリに暮らして、自分の基準で生きること、また美、に対する基準をより一層深めていくことの大切さは学びました。こうゆうのがいいんじゃないか、じゃなくて、僕はこれが好き、っていうのがとても大事なんです。僕の仕事でも、プライベートでも。損得じゃない。
暮らしはアートなんです。皆さんもぜひ、日々の暮らしの中で、自分の好き、とか自分らしさっていうのを今一度見直して、どんどん追求して欲しいと思います。そうゆうそれぞれの好きが刺激しあって、もっともっと面白いアートは生まれると思うのです。僕のクリエーションを楽しみにしてくださっているというメールを時々いただいて、頭が下がるほどありがたい思いでいっぱいになりますが、僕自身、皆様のアートを、とてもとても楽しみにしてるんです。
日々アンテナを張って、いいものを愛でる。パリは、その手の発見が多い街です。