ご挨拶

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お久しぶりです。ずっと、オフィシャルサイトとブログがリニューアル中になっていました。すいません。すごーく、時間がかかりました。

foodlover.jpは、もう始まって10年以上になりましたが、驚いたことに全てのデータと、過去のブログがサーバー内で、全て破壊されてしまいました。全て、です。つまり、もう過去のブログの記事も、過去のサイト内のレシピも写真も見ていただくことができません。ブログが全部なくなってしまったことは大打撃です。ずっとさかのぼって読んでいただいている方もいるとお聞きしてたので、申し訳ない限りですし、自分の過去の歴史や思い出も一気に消えてしまったかのようにも思えました。検索の蓄積などを考えても大損害です。

でも破壊されたものは仕方ない。僕は前向きに考えることにしました。

コンタクトページから、サイトやブログ再開を楽しみにしてるというメッセージをいくつかいただいたり、過去のブログが読みたいというメッセージも数件、いただきました。過去のブログを読んでいただくことはできないのですが、可能な限り、過去に掲載した写真や、その内容も今のスタンスで、もう一度文章にしてみることはお約束します。このブログをなんども読み直してそのメッセージを励みにしてる、というお声もいただいていたので、それはやろうと思います。ただ、時間はください、すいません。新しい記事を楽しみにしてくださる方もいらっしゃると思うので、混ぜながら、過去と今、を進めて行きます。

2011年にアトリエをパリに移してからはや7年以上経ちました。その間に、プラハにもアトリエをオープンすることができました。東京、パリ、プラハを毎月のように行ったり来たりしながら本当に必死で駆け抜けました。その間に海外のメディアに取り上げていただいたり、カナダ映画の主演の話をいただいたりと、料理研究家ではない仕事をかなりいただくようにもなりました。これはもう奇跡です。

四千円程度を握りしめて東京に飛び出して来たまだ10代の頃の自分が、未だまるで昨日のように振り返ることができます。外国人ということで、当時本当に仕事も部屋を借りるのも難しくて、やっとの思いで借りられた神奈川の工業地域にあるあの衝撃的に古い木造のアパートからスタートした僕は、日本で仕事が立ち上がり、TBSテレビのはなまるマーケットに初登場で生放送、で出させていただいてから一気に人生が変わり、テレビチャンピオンで準優勝をいただき、日本の大手出版社様よりたくさんの本を出させていただき、これまた大手、と呼ばれる企業様からお仕事をいただくようになりました。あの当時は、毎週民放のテレビに出て、雑誌連載をたくさんいただき、日立冷蔵庫のキャンペーンに起用していただいたりと、本当にラッキーだった、というかクレイジーだったと思います。自分がどこにいるのかも、必死で確認しないとわからなかった。スタジオと編集部の移動で一日が終わった気がします。その一方で、普通に街に行けない、普通の生活ができない、という辛さも経験しました。やはりテレビの人だ、と注目を集めるため、いつもそのテレビの人を演じないといけない辛さもありました。いわゆる芸能人、の方々は、これらを優越感や、満足感に繋げられるようですが、僕には無理でした。3週間ごとにブリーチとヘアカラーを繰り返さないといけない、というキャラ作りも肉体的にも精神的にも負担でした。また、わけのわからない大人たちが、お金、というおいしいことを求めて寄って来てはトラブルに見舞われました。お人よしだった僕は、素直に信じた人間たちに大きく裏切られ、金銭的にも精神的にも今振り返っても「致命的」と言えるようなダメージを受けたこともあります。それも1度ではありませんでした。いわゆる芸能界、の人ばかりとのお付き合いになり、スエーデンの長年の本当の友達たちを失ったことは今でも悔やまれます。そんなこんなでバランスを崩した僕は、ストレスにより目が見えない、耳が聞こえない、という病気に襲われました。それをひた隠しながら、2年半もの間、ごまかしごまかし、必死で仕事をこなしたこともありました。カメラが回ると、見えなくなったんです。カメラの前に立つと、聞こえなくなりました。ストレスで血が上に回らないことが原因でした。目が見えてない、聞こえてないことを隠すために作る笑顔がひきつり始め、夜ベッドで顔面の片側の筋肉だけが緊張するようになりました。

もうだめだ、やってられんさヨーロッパに帰ろう、と思ったことは1度や2度ではありませんでした。でもその度に、周りに助けられて、なんとか踏ん張ることができました。

そうなんです。僕は、必ず困った時に、誰かや何かが手を差し伸べてくれたのです。そのことに気づいた僕は、今でも自分はとてもラッキーだ、と思います。それはもう恐ろしくラッキーです。まるで映画のような全ての偶然や幸運、人がタイミングを計ったかのように重なり、ものすごい勢いで僕を前に押すのです。

子供の頃から外国人として正直傷つきまくって生きて来ましたが、その傷ゆえに、人様の優しさや、感謝する気持ちが大きく育ち、今はもう優しさと感謝で日々生きてればいいと割り切って生きています。それらの気持ちや態度は、全てそのまま仕事でも生かされていますが、そのことで逆にまた自分が「生かされている」という実感があります。だから僕の生き方は間違ってはいないと言い切れるのです。今はもう、すごく楽です。だって、嫌なことは一切しない、で済むのですから。優しさと感謝が通じない人や物事には近づきもしないのです。だからすごく楽。でもこれは言葉を変えれば僕自身がとても強くなった、ということでもあります。

その強さを与えてくださっているのは、僕の家族やパートナー、息子、友達や仕事関係の仲間はもちろんのこと、ずっと応援してくださっている皆さん、です。

ブログ再開にあたり、改めて、感謝させてください。本当にありがとうございます。

僕は、どんな時も一生懸命、ベストオブベスト、を尽くし続けることをお約束します。

何があっても、僕はもう止まることはありません。それどころか、きっともっと高く飛ぶでしょう。

たくさんの人様からいただいた、優しさという翼が、僕にはあるのです。

ありがとうございます。

J.ノリツグ パベル ホルスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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