トレンチコート

November 26th, 2014

世界中のいいものを、すべての人へ。

世界中から、いいものだけを日本へ。

料理研究家・ライフスタイルプロデュースを手がけはや数十年がたとうとしています。新しい衣食住 をご提案させていただく仕事の中で、それはもうずいぶんたくさんの物を見てきました。また、ヨーロッパと日本、世界中を常に行き来する生活の中で出会った ものの中には、その値段に関係なく、強く心を揺さぶられたものがたくさん。

僕が出会った素敵なものには、すべてその背景に物語があります。いいものは理由があります。物語があるのです。

このページでは、僕の暮らすフランス、パリを中心にヨーロッパ全土から日本の皆さんに衣食住における、おすすめの選りすぐりの商品をご紹介します。

オフィシャルサイトですが、このページに出てくる商品に、何のタイアップもありません。純粋に僕 が気に入っている商品を実際買い取り、極めて個人的な基準でご紹介する、という本来ずっと僕がやりたかったやり方でどんどんご紹介して参ります。メーカー 側の宣伝もありません。もちろん、日本で手に入れる、ということ自体も、むずかしいものばかりなのも事実です。でもこれはずっと僕が実現させたかった企画 の一つ。皆さんに「ほんとのところ」を伝えるのが僕の仕事だと思っています。単なる宣伝のお手伝いだけでは、ないと思うのです。

世界中から衣食住に関するいいものご紹介するのが仕事の料理研究家が実際、自分でお金を出して買 う、というものを並べてみると、実際何を基準に、自分がものを選んでいるのか、ということがよくわかります。それは非常に感覚的なもの、かもしれません。 でもそれらを自分の文章と、写真で伝える事で、その感覚的なもの、を皆さんと共有し、皆さんがものを選ぶ際の基準の一つ、また参考にしていただけたら幸い です。

一つ一つ、本当に気に入って選び抜いたものたちです。高いものもあれば、安いものもあります。た だ、高い安い、は好きな言葉ではありません。ものの価値は、値段で単純に計れるものではないと思うのです。どんなに高価でもその価格に全く値しないものも ありますし、その逆も。僕の仕事を通し、それは嫌というほど見てきました。ものの価値は、そのものを生かしてこそ生まれると僕は思います。

そしてまた、生かせるものだけ手に入れる、そいう姿勢が、様々な無駄を省き、結果必要なものを確実に手に入れることにつながるでしょう。ものに左右されない、必要なものだけあればいい、それが僕の考えるところの豊かな暮らしなのです。

所有するものには、自分自身が宿ります。

J.ノリツグ ホルスト

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Ce que j’achète et mange à Paris

トレンチコート

SONY DSCトレンチ。ここでも以前スウェードのトレンチをご紹介したけれど、今回は王道ともいえるコットン素材。

トレンチは日本でも大人気で、毎年女性誌では特集が組まれるほどだけれど、実際探すと難しいのは女性の皆さんならみなご存知だと思う。

実際トレンチは気回しがかなりきくため、便利で、誰でも着こなせるのだけれど、その似合うトレンチにめぐり合うことは、それほどたやすくない。肩の感じや、襟の印象、色の微妙な違いで印象が驚くほど変わってしまうのがトレンチなのだ。

トレンチと言えば本家?とも呼ばれるイギリスのブランドがとても有名なのだけれど、残念ながら僕にはあれは似合わない。あまりにトレンチトレンチしすぎて、おなかいっぱいになってしまう感じだ。

このトレンチは、シャトレのお店のウィンドーで、一目ぼれした。

色、形ともにとても気に入った。試着のため中に入ると、品のいいマダムが迎えてくれた。

若い子にも、マダムにも人気のお店で、価格も全然高くない。このコートは当時のレートで(といっても、そんな全然前じゃない)1万6千円ほどだった。ちなみにこの時期、全く同じものが日本のショップでは4万円近い値段になっていて少し驚いた。急激に円が安くなってしまった今のレートだと、パリでも残念ながら3万円近くになってしまうのだけど。それでも女性には、まあ、そんなくらいはするものよ、と言われそうだけど。

サイズを34,36両方試してみた。

34だととてもモードに見える。36だと少しエレガント、になる。

こんなに違うんだ、とお店のマダムと驚いた。

「驚いたわ。全然サイズ一つで違うわね。34だととてもモードな感じ。36だと少しエレガントな感じね、どちらも素敵だわ。でも、ほんと印象が変わるわね」と、彼女は言った。

このコートもスウェードのトレンチ同様、日本で着るなら間違いなく34だ。でも僕はあえて36を選んだ。日本のジャストサイズにこだわるスタイリストさんにはどうして?と言われそうだけれど。僕はなんでもジャスト、というのに時々嫌気がさすのだ。特にヨーロッパに戻ると、とたんにそういう気分になる。

ワンサイズ大きい何年も履きこんだジーンズに、これまた何度も脇の部分の穴や袖の穴を直してもらったゆうに5年以上の付き合いのカシミアのセーターを着て、このトレンチを着る。

この色がいい。黄色を含まないベージュ。僕は肌の色が白いため、黄色を含んだベージュが全く似合わない。

少し自由な気分で、パリの空気をトレンチの中に。ベルトは締めない。

トレンチはやっぱり、パリの街にこそ、似合うアイテムだと思う。