12年目のお付き合い

October 25th, 2017

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台風でしたね。僕は、せっせと家の整理をしていました。クローゼットも、棚の整理もできました。まあ、全然ものがないのだけど。さっとどかして、拭いたりして。

僕は一度買ったものは、とことん使うということは何度かブログでお伝えしました。また、滅多に買わないけれど、買うときは迷わず一番いいものを買うとも。安物買いの銭すて、というのは、商品を提供する側で仕事をいただいているので、真実だと知っているからです。安物は、どれだけ買っても満足することもなければ、もちもしない。基本、あまり買い物はしませんし、また、買うときは、安物は買いません。いいものが安い、なら買い、ですが、安く売るために作られたような愛情を受けてもない商品を手元に置くのは嫌なのです。愛情を受け、きちんと作られたものを買い、手入れしながら大切にします。

このジャケットは、もう12年の付き合いになりました。さすがに10年越えたか、とびっくりしていたのですが、それも越えて、今は12年になっています。もうここまでくると、完全に元とってる感じが。毎年、日本やヨーロッパでものすごく頻繁に着ているジャケットです。行く先々で、いつも褒めてもらうから、まだいけるな、まだいけるか、とはや12年。今までは中にグレーや白、だったけれど、今の気分はインナーに黒です。するとほら、また新鮮。今年も着れる。

このジャケットは、ツイードで有名なフランスのものですが、実際、これだけ頻繁に着ても、これだけ長く着られるんです。パーフェクトなフィッティングでタイトに見えても、着心地は最高で。普通のジャケットを12年間で何枚も買うことを考えたら、このジャケットはむしろお買い得だったかと。クライアントやら、ちょっとしたパーティーなど仕事で呼ばれても、日中の仕事上がりにこのまま着替えずさっといけるわけですから。最近特に思うのですが、この歳になると、肌のツヤ感や、体自体が枯れてくるため、いいホテルのロビーで待ち合わせして大丈夫くらいの格好は常にしておかないと、傍目にみすぼらしいとしみじみ、実感してるのです。このことは、女性にも言えることで、若い頃のような格好では、ある時からもたなくなるんです。なんていうか、寂しい、感じになる。昔はカジュアルね、といけてたはずの格好が、どうしたの?コンビニ行くの?という格好に、実は傍目には見えるわけです。

また特に、グレーやベージュは、最近流行りだけれど、とても危険な色で、ある程度の年齢をすぎた大人がそのまま着ると、途端に寂しい印象に仕上がる。雑誌よろしくグレーのワントーンコーディネート、と本人は思って見ても、傍目には、近所のスーパーにいる人、に見えてるかも。

グレーにするなら、生地の質感をカシミアなどにして、アイテムごとの素材を変え、ファーやプラチナ、ダイヤなどの贅沢な艶と輝きを借りること。ベージュにするなら、どこかに白を入れて、仕上げにリッチなイエローゴールドの輝きを借りる、とかよほどの計算をしないと、単なる地味な人の出来上がり。

僕もグレーやベージュが大好きだけれど、ベージュやグレーは、定番色なんて言われながらも、実は簡単ではない色なんです。

この12年来の付き合いのジャケットは、ベージュもグレーもトーン違いで、全部計算されて入っている。だから寂しさがなくて、あまり考えないで着れる。僕の体に足りなくなったエネルギーを補ってくれるようで。洋服って、値段じゃなくて、どれだけ作り手の情熱が注がれてるかというのが大事な気がします。

洋服の捨てどきって、その洋服のエネルギーがなくなったら、だと思うんです。このジャケットには、まだ十分なエネルギーがある。もちろん、帰って着たら陰干しをしてブラシをかけ、クローゼットに戻すのです。たとえ次の日また着るとしても、その辺につりっぱなしで寝るなんてことはありません。さっと手入れして、クローゼットに戻してあげる。だから服も、エネルギーをキープできるのでしょう。

食べ物も、洋服も、エネルギーを与えてくれるもの。

 

人生を、前に進むために。

テキトーに選ぶことなど、僕は絶対できません。